めくるめく恋心

「何食う?」

「ここが学食!?」


凄い人混みに驚いた。学食よりも、すぐ隣にある売店の方が凄い人。人だらけ。

_バーゲンセールみたい……。


「あたしお弁当だから席取っとくねー。」


そう言って愛は慣れた足取りでスイスイと人混みを避けていった。あっという間に小さくなっていく愛の後姿を見ていたら、うーちゃんに手を引かれた。


「ボーっとしてっとぶつかんぞ。」

「あ、うん、ごめん。」


食券を買うため、三人で食券機の列に並んだ。

_いつもこんなに混んでるのかな?


「心ちゃんは何が好きなの?」

「今はラーメン! でもそんなの学食にないよね?」

「ふっふっふ……それがあるんだよねぇ〜。」

「え!? 本当に!?」


わくわくしながらうーちゃんを見上げたら呆れた顔をされた。変な対抗心が芽生え口を尖らせると、ぶにゅっとほっぺを片手で難なく挟まれ、余計口がとんがった。


「醤油ラーメンしかねぇよ?」

「しょれでいい!!」

「あははっ! マジ仲良しだね。 それに心ちゃんのその顔! ホント可愛い。」


_かわっ……!?

頬が熱くなっていく。恭平は流れでそう言ってくれたんだろうけど、普段こんなに面と向かってちゃんと言われる事ないから恥ずかしい。