グラスを手に持って乾杯をした。私は当たり前ながらソフトドリンクの烏龍茶。お酒を飲んでいるのは玉置さんだけだ。葉山さんも本当は飲みたいだろうに、私のせいでジンジャーエールを飲んでいる。


「葉山さん、私の事は気にせずお酒飲んで下さい。 私電車で帰れますから。」

「何言ってんの。 可愛い女の子を夜遅くに一人で帰すわけには行かないでしょー。」

「すみません。」

「気にしなくていいよ。 飲んだら面倒くさくなるから、この方が楽でいい。」

「おい、玉置! お前サラッとひでーな。」


完璧マイペースな玉置さんは、もう葉山さんの言葉何て聞いていない。

二人は高校からの付き合いらしく、息ぴったりで仲の良さが伝わってくる。大人になっても仲良しでいられるって素敵だなって思う。仕事まで一緒にするなんて、お互い信頼していないとできない事だよね。


「葉山さん、来月体育祭があるので、体育祭前はシフトあまり入れなくなるかもしれないんですけど、大丈夫ですか?」

「いいね、体育祭。 店の事は気にせず、高校生を楽しめ。」

「ありがとうございます。」


来週から体育祭の準備が少しずつ始まる。種目を決めたり役割決めたり、色々忙しくなるけど体を動かすのは好きだから、体育祭は凄く楽しみだ。頭使うより体使う方が私には合ってる。


「あれ? 葉山さんと玉置さんじゃないっすか!」

「おー、蒼汰(そうた)久しぶり。 お前らも今から飯?」

「そーっす。」