久しぶりに学食でお昼ご飯を食べていると、輝夫に肩をバシバシ叩かれた。相変わらず力加減を知らない奴。


「何だよ。」

「あそこにいるの転校生ちゃんじゃね!?」


輝夫の指先を追うと、楽しそうに笑っている転校生の姿があった。彼女が転校してきて数日が経つというのに、周りの彼女に対する興味は冷めていない。冷めないどころか凄くなっている様な気もする。


「やっぱ可愛いよなー。 ヤリてー……。」

「お前まだそんな事言ってんの? いい加減諦めたら?」

「諦めるも何も、チャンスがありゃやりたいって思うのは男としてしょうがなくね?」


_いや、ここで同意を求められても困る。


「欄の奴紹介してくんねーかなー。」

「輝夫じゃ絶対無理でしょー!!」


近くに座っていた女友達が話に入ってきた。「無理ってなんだよ!?」と輝夫がギャンギャン文句を言っている。けど、女友達は笑いながらそれに返している。

二人が言い合っている中、俺はもう一度転校生に目を向けた。友達と居る時の彼女はいつ見ても楽しそうに笑っている。彼女が笑っているところを初めて見た時はその笑顔に釘付けになった。そこから少しずつ彼女に興味を持つようになった。興味を持ったと言っても、知っているのは名前くらいだ。