「今から体育ですか?」

「うん、そうだよ。 心ちゃんは?」

「私は今から美術ですよ。 ご飯食べた後だから絵描きながら寝ちゃいそうです。」

「あはは、あり得るね。 んじゃ、眠くなったらこれ舐めて。」


渡された飴玉の袋にアワアワと書かれていた。これシュワシュワするやつだ。


「これ懐かし〜!! って、今から体育なのに何でこんなの持ってるんですか?」

「急に舐めたくなる時ってない? そん時用かな。」

「あはは、変なのー。」

「千里行くぞー!!」

「あ、ごめん。 呼ばれてるから行くね。」

「飴、ありがとうございます!!」


友達のところに走っていく千里先輩の背中に声を掛けた。千里先輩は走りながら振り向いて笑顔で手を振ってくれた。

_面白くていい人だなー。


「高尾(たかお)先輩といつの間に仲良くなったの!?」

「高尾先輩って千里先輩の事?」

「そーだよ! ビビったんだけど。」


驚いている愛にケータイを取りに行った時の事を話した。すると盛大に溜息を吐かれた。こういう溜息は、呆れれてる時の溜息だ。

_千里先輩と友達になったらまずかったのかな?