めくるめく恋心

「こいつ元々不愛想なんだけど、作業中は更に不愛想なんだよ。 ま、これがこいつのいつも通りだから気にしなくていいから。」


_あ、そうなんだ。

葉山さんの言葉に胸を撫で下ろした。それより何の作業してるのかな?気になって気持ち覗いてみるけど、上手く見えない。


「ここのアクセは全部玉置がデザインして作ってんだよ。」

「え!? 全部ですか!?」

「そー。 客からオーダーが入ればデザインの打ち合わせして作ったりもしてる。」

「凄い……。」


素直に感動した。どうやって作ってるんだろうとか、どんなふうにデザインを考えるのかとか気になることはたくさんあるけど、それはもう少し玉置さんと仲良くなれてから聞こうと思った。この感じだと先は長そうだけど……。


「軽く話したいんだけど、まだ時間大丈夫?」

「はい、大丈夫です。」

「じゃ、こっち来て。」


玉置さんに「失礼しました。」と言って部屋を出た。作業に熱中しているせいかそういう人なのかは分からないけど、こちらに見向きもしなかった。

次に案内された部屋は、白い空間に真っ赤なソファーが置かれた少し大人っぽい部屋だった。天井から吊り下げられた黒のシャンデリア。壁に飾られた絵画。激しい色を使っているにも関わらず妙に落ち着くのは、証明を間接照明にしているからかもしれない。

葉山さんに促され、私は赤いソファーに腰かけた。