「な、な、ないよ!!」

「まー別に話す必要が出て来なきゃわざわざしないわよね。」


血がつながってないからって今更関係性は変わらないけど、とにかく驚いた。でもきーちゃんと血がつながってないって聞いて、少しホッとした。


「ココちゃんと結婚できるならなんでもいいや。」

「けっ!? え!?」

「え!? 意識してんの俺だけ!?」


_何でそういう事を事も無げに言っちゃうかな!?


「お前は何でもいきなり過ぎんだよ。」

「それぐらい俺は本気なんだからしょうがないじゃん。」

「いやーでも心ちゃんがお嫁に来てくれたらおじさんは嬉しいよぉ。」

「でしょ〜? 子供も絶対可愛いと思うんだよね〜。」


_こど、子供!?


「さ、アホな二人は放っておいて、早く初詣に行きましょう。」

「そうだね……。」


うーちゃんと千代さんと先にリビングを出ると、後ろから昭人さんときーちゃんが慌てて追いかけてきた。勢いよくきーちゃんに後ろから抱き付かれ、笑ってしまった。

神社は想像以上に人で賑わっていて、はぐれてしまわない様にきーちゃんがずっと手を握ってくれていた。お参りするために並んでいたけど、みんなでお喋りしていたら順番が回ってくるのはあっという間だった。

きーちゃんと鈴を鳴らして、お賽銭をして、二礼、そして二拍手の後目を閉じた。

_家族みんながずっと幸せで居られますように。 きーちゃんともっと信頼できる仲になれますように。 そして、喧嘩をしても二人で乗り越えて、今よりももっともっと仲を深めていけますように。

何度も心の中で強く願った。目を開けて最後に深く一礼し、またきーちゃんと手をつないで列を離れた。

_この手をずっと握っていられますように。


Fin.