めくるめく恋心

早々に欄先輩が連絡を取ってくれて、早速次の日の放課後面接に行くことになった。

昨日の夜欄先輩から連絡が入って、慌ててコンビニに履歴書を買いに行った。そしてコンビニの近くの証明写真機で写真を撮った。証明写真を撮るのはパスポートを作る時以来で、笑っていいものか分からず、不自然なくらい真顔になってしまった。

_ヘラヘラ笑ってるよりはマシ……なのかな?

履歴書も書いたことがなくて、悪戦苦闘しながら書き上げた。千代さんにも確認してもらったから変な所はないと思うけど、ちょっと心配だ。

欄先輩に教えてもらった住所を元に歩いていると“Blue Rose(ブルーローズ)”と書かれた看板を見つけた。

_ここだ。

騒がしいショッピングエリアから少し離れた静かなエリアにあるお店。看板も小さいし、店名もお洒落な書体で書かれてるから分かりづらい。お客さんを呼ぶ気がないというか、何というか、本当に趣味でやってるんだろうなと思った。

ドアを開けてお店に入ると、白を基調とした空間が広がっていた。白と言ってもオフホワイト寄りで、どこか古めかしさも感じさせる、レトロな造り。

上手にディスプレイされたアクセサリーは、ショーケースの中でキラキラ輝いている。


「もしかして心ちゃん?」

「え!? あ、は、はい!!」


奥の部屋から出てきた男性に慌てて頭を下げた。


「欄先輩に紹介してもらった市川 心です!!」

「あはは、そんな固くなんなくていいって。 俺はここのオーナーの葉山(はやま)。 宜しくー。」

「宜しくお願いします!!」


顔を上げて葉山さんを見ると、優しそうな人で安心した。けど周りにはいない大人な雰囲気の葉山さんに緊張してしまう。