クリスマスイヴの日、私ときーちゃんの想いは通じ合った。

きーちゃんは予定をキャンセルしてくれて、電話をかけてきた奈々子ちゃんにも『彼女と過ごすから今日行けなくなった。』と言ってくれた。

イヴを二人で過ごす予定じゃなかったから、なんの準備もなくてご飯もファミレスになっちゃったけど、とにかく一緒に居られて幸せだった。

きーちゃんがくれたクリスマスプレゼントはスマホケースで、直ぐに付け替えた。


「ココちゃん!! 準備できた?」


返事をする前にドアを開けて部屋に入ってきたきーちゃんは、私を見るなりあからさまにガッカリした顔をした。


「えー……着物じゃないの?」

「この時間じゃ美容室行けないんだからしょうがないでしょ。 この洋服じゃダメ?」

「ダメなわけないじゃん!! 可愛い!! 俺から離れないでね!!」


数十分前に新年を迎え、家族みんなで今から近くの神社に初もうでに行く事になった。きーちゃんに手を引かれてリビングに向かった。

私たちの事はまだ千代さんたちには言っていない。


「おっまったせ〜! 行こ〜!!」

「あんたって子は……相変わらず心ちゃんにべったりしてー……今年は心ちゃん離れしなさいよね。」


千代さんの言葉にちょっと気まずくなった。


「付き合ってんだから手ぇつなぐのは当たり前じゃん。」


_きーちゃん!? 私まだ心の準備が……。