ベッドに並んで横になり、天井を見上げた。つながれた手は指までしっかり絡まっている。


「あの日……わざと電話した。」

「あの日?」

「ココちゃんがあの人の家に泊まりに行った日。 実は知ってたんだ。 だからどうにか邪魔してやろうってそんな事ばっか考えてて、んで一人で居らんなくてみんな巻き込んで飲んで、蒼汰にめちゃくちゃ怒られた。」


_きーちゃんから二回も電話かかってくるなんて珍しいなって思ってたけど、そういうことだったんだ。 きーちゃんも気にしてくれてたんだね。

きーちゃんの方に体を向けた。


「私もきーちゃんの事考えてたよ? 電話越しに女の子の声もしてたし、気が気じゃなかった。 彼氏と一緒に居るのに、私って最低だなって思った……。」

「俺なんて蒼汰にまで妬いて、一番の友達に当たり散らした。 俺も最低だよ。」

「きーちゃん……。」

「他の男の前で着飾んないでよ……着飾んなくても可愛いんだから、マジ焦る。」


きーちゃんは私の事よく言い過ぎだよ……って思ったけど、それは言わなかった。ただそう言ってくれることが嬉しくて、笑って見せた。するときーちゃんは急に真剣な顔になった。


「ココちゃん。」

「は、はい。」


真剣な声色に、寝転がりながらも背筋が伸びた。


「俺と付き合って下さい。」

「はい……宜しくお願いします。」


返事をすると、きーちゃんははにかんだ。私も同じ様な顔になっているかもしれない。

顔が近付き、目を閉じると唇に柔らかい感触がした。ほんの数秒、もしかしたら数分かもしれない……どのくらいの間触れ合っていたか分からないけど、それは凄く幸せな時間だった。