昼休みに学食でオムライスを食べながらスマホと睨めっこ。アルバイト情報を見ながら良さそうな所を探すけど、見過ぎてどれも同じに見える。高校生がバイトできるところなんて限られてるから、どれも大差はないけど、お店があり過ぎて逆に困る。


「決まんないなら、とりあえず家の近くのコンビニとかに面接行ってきたら?」


恭平に言われてそうするかなと思ってると、スマホに影が落ちた。


「欄先輩!!」

「何々〜? バイト探してんの〜??」

「そうなんですけど、別にやりたいバイトがあるわけじゃないので悩んじゃって……。」


欄先輩はうーちゃんの背中に抱き付いたまま、うーん……っと考え出した。うーちゃんは欄先輩の事を気にする事なく淡々と親子丼を食べている。この光景は毎度のことなので、私もいい加減慣れてしまった。

_それにしても、こんなに綺麗な人に迫られてうーちゃんは何とも思わないのかな?


「じゃあさ、私の知り合いのショップでバイトしない?」

「え?」

「本業とは別に趣味でやってるショップらしんだけど、最近忙しくて人手が足りないらしくって、バイト探してんだよね。」

「私で大丈夫ですか?」

「心なら問題なしだよー! 取りあえずオーナーと会って話してみて、お互いオッケーならって感じでどう?」

「欄の知り合いなら問題ねぇだろ。」


私が悩んでいるのが分かったのか、うーちゃんが背中を押してくれた。「宜しくお願いします!」と言うと、欄先輩は笑って「オッケー! オーナーに連絡しとくね。」と言ってくれた。