「失恋したんだ。」


言おうかどうか迷っている内に、気付けば口から言葉が零れ落ちていた。さすがにもう涙は零れ落ちてこない。


「え? マジ?」

「ははっ、マジ……ずっと好きだったし、その人の事しか頭になかったから、中々気持ちの整理がつかなくて……。」


今まで秋ちゃんの事でいっぱいだった部分にぽっかり穴が空いてる。それに、直ちゃん、恵奈ちゃんとも会えなくなってしまった。一気にたくさんのものを失って、その穴をどう埋めればいいのかも分からない。


「男の事は男で忘れる!っていうのがあたしの考え何だけど、心はそういうタイプじゃないよね。 話聞いたくせに何も言ってあげらんなくてごめん。」

「そんな顔しないでよー! うーちゃん以外の人にこういう話する事ないから、ちょっと緊張した。 でも言って良かったって思ってるよ。 スッキリしたし。 ありがとう。」

「それならいいんだけどさ。 話くらいいつでも聞くから連絡してよね。 もううちら友達じゃん? 水臭いのはなしだからね。」

「うん! ありがとう!!」


愛と友達になれて良かった。これからはもっと視野を広げていこう。色んな事を経験して、友達を作って、たくさんのものを見ていこう。


「ってかさ、あの右京が恋バナとかすんだね。」

「私が一方的に話してるだけで、うーちゃんの恋愛話は聞いたことないよ。」

「あ、そうなの? ま、右京が恋バナしてるとことか想像しただけでウケるけど。」


うーちゃんは結構モテる。ニューヨークで一緒だった時も女の子と一緒に居るところは何度も見た事がある。その時に『彼女?』と聞いたことがあるけど、『違う。』と即答された。未だにうーちゃんの女性関係は謎だ。