部活に追われる毎日で、彼女を作る暇もない。適当に遊んではいるけど、所詮は遊びでそれ以上に発展することはない。

_そろそろマジで彼女欲しいー。

心ちゃんと高尾先輩を見ていると、余計にその気持ちが強くなる。校内で一、二を争う美男美女カップルだと思う。けど心ちゃんと早瀬の関係がまた近付いて、順調だった二人の雰囲気が微妙に可笑しくなり始めた。

_元カレってだけで嫌なのに、彼女の身近に早瀬みたいなやついたら落ち着かねーよな。


「なー、右京ってやる事やってんの?」

「何が?」

「何がって、やる事って言ったら一つしかないでしょー。 女の子と遊んでんの?ってことぉー。」

「あぁ、まぁ適当にな。」

「要領良さそうだもんなぁ。」

「ちょっと、そういう話は女が居ないところでしてくんない?」


部活の帰り道、そんな話をしていたら愛が不機嫌な声で割って入ってきた。いつも右京とか他のメンバーには自分からこういう話をふるくせに、俺がこういう話をすると愛は嫌そうな顔をする。


「愛も適当にやってんじゃないのー?」

「は? 一緒にしないでよ。 女は好きでもない男とそんな事しないから。」

「俺だっていいなって思う子としかやんないよ。」

「そのいいなって気持ちが男と女とじゃ違うんだって。」

「どういう意味?」

「男のいいなはほぼほぼ見た目でしょ? 女のいいなはフィーリングだから、見た目云々じゃなくて結局気持ちなんだよ。」