昼飯は気付けば右京と愛と三人で食べる様になっていたけど、今では心ちゃんも加わり、四人で食べるようになった。

昼飯の時に限らず、何かと四人で居る事が増えた。

右京は顔に似合わず優しいけど、心ちゃんが居る時は雰囲気も柔らかくなる気がする。


「なー、いい加減欄先輩と付き合っちゃえばぁ?」

「何でだよ。」

「その何でだよにビックリだよ。 あんだけ好き好き言ってくれんじゃん? しかも顔も綺麗系だし、スタイルだっていいし、お嬢様だろ? 性格はちょっときついけど、それを差し引いてもイイ女だと思うんだよねー。」


次の授業の移動中、俺の提案を右京は相変わらずの表情で聞いている。いや、聞いているふりして実は聞き流しているかもしれない。


「やっぱ心ちゃんの事が好きなんだろ?」

「心の事は大事だけど、そんなんじゃねぇよ。 欄と付き合わないのは、俺の問題。」

「問題って何?」

「別に、ちっせー問題。」

「何だよそれ。 ちっさかろうが、でっかかろうが、そこまで聞いたら気になるじゃんか。 言えっつーの。」

「気が向いたらな。」


右京はあまり自分の事を話さない。深く突っ込んで聞けば渋々教えてくれそうだけど、そこまでして聞いて俺はどうすんだ?って感じだからそうまでしては聞かない。

右京程じゃないけど、俺も聞かれてもない事を敢えてベラベラ話すタイプじゃない。だから俺たちはお互いの事を知っている様で知らない。性格はだいたい分かってるつもりだけど、女関係とか交友関係とかはさっぱりだ。