めくるめく恋心

ベッドに入るなり、ギュっと抱きしめられた。いつもよりもきつく、力強い。


「千里? 怒ってる?」

「どうしてそう思うの?」

「何でかは分からないけど、そんな感じがするから……。」

「心は鋭いのか鈍いのか分かんないね。 でも心は分かり易いね。」

「分かり易い? 何が?」

「んーん。 分からないならいいんだ。 そのままでいてよ。」


_知らない内にまた思ってる事が顔に出てたのかな?

きーちゃんと女の子が絡んでるところを想像した時、胸がズキズキした。その痛みはまだ胸の奥に残ってる。千里が抱きしめてくれているのに、消えない。

気持ちを誤魔化す様に千里の胸元でTシャツを握った。ずるい事をしているのは分かってるけど、誰かにすがらないと泣いてしまいそうだった。


「抱きたい。」

「え?」

「抱きたいけど、今日は我慢する。 でも、次はどんな状況でも抱くから。」

「っ……。」


顔を上げると千里の熱を帯びた瞳と視線がぶつかった。その眼差しは私には強すぎて、ずっとは見ていられなかった。

千里は私のおでこにキスをすると「おやすみ。」と言った。私も目を瞑って「おやすみ。」と言葉を返した。その時に目尻から流れたものは誤魔化せない素直な気持ちだった。