Side:Ukyo



心の部屋を出ると、廊下の壁に寄りかかって突っ立てる吉良がいた。不安そうな顔をしている。その理由は聞かなくても分かる。


「ココちゃんは?」


心の部屋を気にしながら、小さな声で聞かれた。


「俺の部屋に行くぞ。」


吉良まで心配してると分かれば、余計心に気を遣わせることになる。俺たちは気にしていないが、心はそれを悪いと思っている様だ。

俺の部屋に移動し、ベッドに座った。吉良はいつもソファーに座る。


「それで? 大丈夫なの? ってか、何があったの?」


吉良は今日の事を何も知らない。今日早瀬の所に行くことを知ってたのは俺だけだ。一瞬話そうかどうか悩んだが、心が関わっている事でこいつが下手な事をする事はないだろと思い、口を開いた。