めくるめく恋心

タオルで髪の毛を拭きながらリビングに入ると、千里が誰かと電話で話していた。ソファーに座ると直ぐに隣に千里が座り、腰を抱かれた。

今日はやたらと触れられる気がする。

_どうしたんだろう?


「うん、うん、分かってるよ。 あぁ、おやすみ。」


電話を切った千里はぐったりと肩に頭をのせてきた。


「電話誰からだったの?」

「母さん。 放任してるくせに心配性なんだよね。」

「放任してるから心配なんじゃない? 好きで放任してるわけじゃないんだし、やっぱり子供の事は気になるんだよ。」


家族を喪って得たものもある。周りがどれだけ私の事を見てくれていて、どれだけ心配に思ってくれているかという事。他にも色々と気付かされた。


「髪の毛濡れてるから、千里まで濡れちゃうよ?」

「どうせお風呂入るしいいよ。 心の傍に居ると落ち着く。」

「私もだよ。」

「このままじゃ寝ちゃいそうだから、さっさとお風呂入ってこようかな。」


そう言って立ち上がった千里に軽く触れるキスをされた。そして「髪の毛乾かしたら、俺の部屋で待ってて。」と言われ、心臓が面白いくらい飛び跳ねた。

_今日はやっぱりそういう事……するんだよね?

考えると余計恥ずかしくなった。千里がお風呂に入ったのを見計らって髪の毛を乾かして、逃げる様に千里の部屋に駆け込んだ。