めくるめく恋心

リビングでピザを食べながら借りてきたDVDを観た。本当は気になっていたホラー映画がレンタルになっていたからそれを借りたかったけど、流石に人のお家でビクビクするのはダメだよねと思い、アクション映画のDVDを借りた。これも観たかったやつだから、無理をしたわけじゃない。


「片付けなら私がするよ。」

「いいよ、心は座ってて。 それかお風呂入る?」

「千里より先にお風呂入るなんて出来なよ! 私後でいいから、千里が先!!」

「変な気遣わなくていいのに。 心は髪の毛乾かしたりするのに時間がかかるでしょ? だから先に入ってくれた方が助かるんだけど?」

「……じゃあお先に失礼します。」

「どうぞお姫様。 因みにもうお湯はってるから入っちゃって。」


_え!? いつの間に……。

千里が歳よりもしっかりしているのはご両親が居ない事が多いからかもしれない。

_練習がきつくて忙しくても、いつも一人で何でもしてきたんだろうな。

お風呂に入ると、初めて千里のお家に来た時の事を思い出す。あの時は少し気が動転していて、あまり覚えていないけど、そういえばこんなお風呂場だったなと思った。

あの日、千里が居てくれて本当に良かったと思ってる。いつも傍にいてくれて、心配してくれて、気持ちをぶつけてくれる。それは凄く嬉しい。それなのに、同じくらい苦しい。

_私は千里が好き。 好き……。

叫びたい気持ちを抑えて、代わりに頭をゴシゴシ洗った。シャワーで勢いよく頭を洗い流し、顔を濡らした。


「っ、プッはぁぁぁー!!」


_さっさと洗って出よ!!