「今日は夜ご飯どうしよっか?」

「遅くなっちゃってもいいなら作るよ?」

「本当? 心の手料理食べたいし、そうしてもらおうかな。 あ! でも、二人でゆっくりしたいし、デリバリーでもいいかも。」

「あはは、じゃあどっちにするか部活終わるまでに考えておいてね。」


今日は千里のお家にお泊りに行く。千代さんとうーちゃんには話してあるけど、昭人さんときーちゃんには内緒でとお願いした。二人とも「そうだよね。」と言いたげな顔で了承してくれた。


「休憩終わりみたいだから戻るね。」

「うん。 練習頑張ってね。」

「ありがとう。 立ってるの辛かったら何処か別の所で待ってて。 それかどっかお店で待っててもいいから、無理しないでね。」

「移動する時はメール入れとくね。」


千里は笑顔を残してグラウンドへ走って戻って行った。

_大事にされてるって感じるのに、こんなに胸が苦しいのはどうして? 私は……。

考えを失くすように頭を横に振った。

ずっとここにいても同じ事ばっかり考えてしまいそうで、場所を変えることにした。サッカー部の練習が終わるまでにはグラウンドに戻ってくるとは思うけど、千里に“バスケ部の練習を見に行ってくる。”と一応メールを送った。

体育館に移動して、二階席からコートを見下ろした。コートでは丁度試合をしているところだった。バスケットゴールのある公園でたまに練習に付き合ったりするけど、うーちゃんがちゃんとしたコートでプレイしてるところを見るのは久しぶりだ。

バッシュが床に擦れた時のキュッキュッって音が好き。うーちゃんにその事を言うと『変な奴。』と言われた。

_理由は分かんないけど妙に落ち着くんだよね。