「ココちゃんが襲われた。」


夜中に急に人ん家に押しかけてきたと思ったら、吉良が信じられない事を言い放った。理解するのに少し時間がかかった。


「待て待て待て……襲われたって……は? 男に? いつだよ?」

「……海に行った日一人で帰った時。」


ソファーの上でクッションに顔を埋める吉良。

右京にーがあれだけ怒って乗り込んできた理由が漸く分かった。


「それでココちゃんは? 怪我とか……精神的に大丈夫なのかよ?」

「全身傷だらけだった。 顔にも痣ができてて……たぶん殴られたんだと思う。 怖い思いしたくせに、『気にしないで。』って笑いながら言うんだ……俺、マジ何やってんだろって思った。」

「でも、無事で良かったな。」


吉良は顔を埋めたまま頷いた。

_こいつがこんなに落ち込んでの久々見たわ。

ココちゃんに彼氏が出来たと騒いでいた時は落ち込むと言うより、怒り狂っていた。吉良の気持ちを考えればしょうがないと思ってたけど、そのせいでまさかココちゃんが男に襲われる事になるとは俺もそうだけど、吉良も思ってなかっただろう。いつもの吉良なら駅までココちゃんを送って行ってただろうし、今吉良は後悔しまくりなんだろうなと思う。


「我慢できなくて……好きだって、言っちゃたんだよ……。」

「は? マジ?」

「……マジ。」


_落ち込み方が酷いのはこのせいもあんのか……。