めくるめく恋心

スプーンを手に持ったはいいけど、上手く手が動かなかった。

_私はどうして千里の事でヤキモチを妬いた事がないのかな? 最初から人気がある人だって知ってたから? それとも……。


「ごめん。」

「え?」

「困らせるつもりはなかったんだ。 ただ、思った事を素直に言っただけだから、気にしなくていいよ。」


笑ってお茶を飲む蒼汰君はそう言ったけど、すんなり受け入れられなかった。蒼汰君の言葉はいつだって冷静で時には鋭く感じる。


「蒼汰君は、好きな人が異性と絡んでたらどう思う?」

「そりゃ気が気じゃないっしょ。 それにイラつく。」


_私……。

両肘をテーブルについたら自然とため息が零れた。

首のあたりが急に重くなった。


「ちょっと、うちのココちゃん虐めないでくれますー?」

「虐めてないっつの。」


バッと頭を上げて、きーちゃんの体を両手で押しのけた。するときーちゃんに驚いた顔をされた。


「虐められてないよ! ってか何できーちゃんだけエプロンしてないの!?」

「俺は手がこんなだから、注文しか取らないから着けてないんだよ。 ってか今更そんな事聞く!?」