めくるめく恋心

「きーちゃん、そろそろ離れて……。」

「えぇーもう?」

「離れてくれないときーちゃんの浴衣姿見れないでしょ?」


そう言うと渋々離れてくれた。

かすれ縞柄の濃紺の浴衣に少し黄みがかった白の帯。モデルをやっているからか、きーちゃんは自分に似合う色やデザインをよく分かっていると思う。

きーちゃんとのツーショット写真を蒼汰君が撮ってくれた。春姫ちゃんとの写真はきーちゃんにお願いして、無理矢理蒼汰君にも入ってもらった。

_私も写っちゃってるけど、ま、しょうがないか。


「ご注文は?」

「あんみつと冷たい緑茶にする。 蒼汰君は?」

「俺は冷たいほうじ茶ぁ。」

「しょうがないから蒼汰の分も持ってきてやるよ。」

「扱いが違い過ぎんだろ!!」


きーちゃんのクラスは甘味処をやっていて、クラスの子はみんな浴衣を着て腰にエプロンを巻いている。女の子たちのエプロンは真っ白の生地でフリルがついていて可愛い。

それにしてもきーちゃんってば本当にモテる。さっきから女の子に呼び止められてばっかり。それに女の子たちからベタベタ触られてるのにきーちゃんは気にする素振り一つない。


「ははっ。」


突然蒼汰君が笑い出してビックリした。目が合うとさらに笑われてしまい、余計訳が分からない。