めくるめく恋心

「コ……ちゃ……ココちゃん!!」


蒼汰君の大きな声にハッとなった。


「俺も今から病院に行……」

「ごめ……あの、頭がついていかなくてっ、病院の名前とかあの、メール……」

「分かったメールする!!」


そう言って電話を切られた。スマホを持ってる手が震えていた。


「市川さん? 大丈夫?」

「あ、ごめ……私、帰るね……っ!!」


鞄を持って急いで体育館に向かった。

_事故? きーちゃんが?

昔の出来事が一気に頭の中に蘇る。

_あの時みたいな想いもうしたくない。

最悪な方向にばかり考えがいってしまう。走りながら情けないくらい涙が零れ落ちていく。

体育館を覗くと、ストレッチをしているうーちゃんを見つけた。


「うーちゃん!!」


体育館に声が響いて、私に気付いたうーちゃんの所へ走り寄った。そのままうーちゃんの胸に飛び込んでTシャツをギュッと握った。