めくるめく恋心

着替えて千里と学食に戻って私はそのまま千里と一緒にサッカー部の人たちとご飯を食べた。サッカー部の人たちとは普段関わり合いがないから、妙に緊張してしまった。

先にサッカー部の人たちとご飯を食べていた輝夫先輩に「さっきはごめんな。」と謝られて驚いた。

_輝夫先輩がこんなにシュンとして謝るなんて……。


「お前がそんな風に謝るなんて珍しい。」

「愛チンからさ、『空気を読むって言葉知ってます? 吸ってるだけじゃ世の中やってけないんですよ?』ってちょー真顔で言われた……あれは流石に利いたし……。」

「愛ちゃんの言う通りだね。」


_うわー……愛にそんなこと言われたんだ。 そりゃ凹むよね。

でも私の事を思って言ってくれたんだろうなと思うと、ちょっと嬉しかった。


「もういいですよ。 別に悪気があったわけじゃないんでしょうし、もう気にしてません。」

「ココロン……! ちょーイイ奴っ!!」

「輝夫を甘やかしちゃダメだよ。 直ぐ調子に乗るから。」

「てめーら何揃って頷いてんだよ!!」


千里の言葉にサッカー部の何人かの人が頷いていた。恐らく千里たちと同じ三年生だろう。ギャーギャー騒ぐ輝夫先輩にサッカー部の部長が「飯の時くらい静かにしろ!」と一喝。そんな一言で大人しくなるはずもなく、更に騒がしくなった。


「ココ! 私みんなと体育館に行ってるから、手が空いた時にでも来てよね!」

「うん、分かった! 後でね!!」


恵奈ちゃんはバスケ部のみんなと学食を出て行った。