めくるめく恋心

マジマジと見られて恥ずかしくなった。


「へ、変かな?」

「あっ、ごめん! すっごく似合ってるから、つい見惚れちゃった。 写メってもいい?」

「うん、いいよ。」


スカートのポケットから取り出したスマホで、上半身と全身の写真を取られた。その写真を見せてもらってもう直ぐ文化祭なんだと思ったら、段々胸がワクワクしてきた。

衣装を着れる形にするまでが私の作業で、その作業にプラスして衣装にレースだったりリボンだったりのアレンジをするのが持田さんや裁縫の得意な子の作業。だから私も部活とか委員会で忙しい子たちの衣装作りのお手伝いをしている。


「市川さん、着れたぁ?」


カーテンの外から女の子たちの声が聞こえてきて、持田さんと一緒にカーテンの外に出た。


「いいじゃん!! 可愛い〜!!」

「本当? ありがとう。」

「私も着てみようっと!!」


だいたい衣装が出来上がった子たちも次々とカーテンの中に消えていく。カーテンの中は女の子たちでごった返しているらしく、ユラユラと揺れている。

_外れなきゃいいんだけど……。


「このままちょっと出ても大丈夫?」

「うん、いいよ。 でも衣装汚しちゃわない様に気を付けてね。」

「うん、気を付ける!!」