夏休みも終わり、新学期が始まった。

新学期早々に行われた夏期課題テストが終わり、ぐったりする間もなく文化祭の準備が始まった。

うちのクラスはアニマルカフェをする事になった。簡単な話し、ウェイターが動物の仮装をしているだけの喫茶店。


「こっころぉー! 打ち合わせするよー!!」

「う、うん!」


同じ衣装係の愛に呼ばれて席を立った。テストの後席替えがあり、隣同士だった愛とは離れ離れになってしまった。

文化祭の話し合いの為のHRで教室の中は賑やかだ。


「愛は何するの?」

「あたし? あたしは……んー……何がイイと思う?」

「んー……豹とか?」

「いいじゃない! 豹! ちょーセクシーなやつ!! 冴島さんなら絶対似合うよぉー!!」


がっつり話に食いついてきたのは衣装係リーダーの持田(もちだ)さん。普通に話したりはしてたけど、今まで接点はなかったから同じ衣装係になってよく話をするようになった。持田さんは将来服飾関係の仕事に就きたいらしく、誰よりもやる気満々だ。


「じゃ、豹でいっか。 心は何にすんの?」

「私こそ何すればいい?」

「ウサギとかどうかな!?」


持田さんに興奮気味に身を乗り出され、思わず頷いてしまった。完璧迫力負けだ。