「こいつ男慣れしてないんで、そういうのなしでお願いします。」

「シノってば過保護〜。」

「うーちゃん、ありが……」

「うーちゃん?」


_うーちゃんってもしかして、もしかしなくても右京の事!?

転校して来たばっかりの子と右京がもうそんなに仲良くなってるとは思わなくて、焦りと怒りがこみ上げてくる。


「右京とどういう関係?」

「…………」


間に入ってグイッと顔を近づけると、転校生は分かり易く顔を強張らせた。近くで見ても綺麗な顔立ちをしていて、嫉妬してしまいそうだった。そんな感情が湧いたのは生まれてきて初めてかもしれない。


「俺の従姉妹。」

「え? 従姉妹?」

「って事だから、宜しくな。」


_だから仲が良いんだ。

胸のモヤモヤが一気に吹き飛んだ。

_ただの勘違いじゃん!!

嬉しさのあまり、転校生に抱き付いた。


「もぉーそういう事は早く言ってよね! 仲良くするに決まってんじゃん!!」