放課後はいつもの様に友達と街をぶらついて、ファミレスでだらだらして、特別な事をする事もなく、過ごした。


「じゃ、また明日ねー。」

「はいはーい。」


電車で帰る友達を見送り、私は一人街をぶらついた。

_迎えの時間にはまだ少しあるし、カフェでも入ってようかな。

自分で言うのも何だけど、私の家はお金持ちだと思う。一人娘ということもあり、幼いころから両親からはもの凄く可愛がられて育った。欲しいものは何でも買ってもらえて、行きたいところには連れてってもらえて、今まで欲しいと思ったもので手に入れられなかったものはない。挫折したこともない。


「欄!!」

「え!? は!? 嘘でしょ!? ちょっと離してよ!!」


フラフラ歩いていたら、突然元カレに腕を掴まれた。力が強くて振りほどけない。


「何で電話無視すんだよ!? メールだって返さねーしよ!!」

「もう別れてんのにしつこいからでしょ!? 毎日毎日気持ち悪いのよ!!」


あり得ないくらいの電話とメールの数に嫌気がさして、電話は着信拒否。メールは拒否設定してるから、どんなメールを送ってくれてるかも知らない。


「俺は分かった何て言ってねーだろ!!」

「はぁ!? 私が別れたいって言ったんだから、そっちが了承しようがしまいが別れは成立してんのよ!! っつーか、別れたいって言ってる女と一緒にいて何が楽しいわけ!? あんまりしつこい様なら、警察にストーカー被害の届け出してもいいんですけど!?」