右京はメールが好きじゃないらしく、メールを送ってもほぼ返事はない。返事が返ってきたとしても、“あぁ。”とか“おー。”とか極短メール。それでも返事が返ってきた時はのたうち回りたいくらい嬉しくて、その時に気付いてしまった。右京に恋をしてしまったんだと……。

当時半年くらい付き合っていた彼が居たけど、自分の気持ちに気付いて直ぐに別れ話を切り出した。けど中々納得してもらえなくて、別れるのに苦戦した。


「右京みーっけ!!」


移動教室で友達と廊下を歩いていると、前を歩いている右京を見つけ、後ろから飛びついた。


「このクソ暑いなかくっつくな。」


_暑くなかったらオッケーって事?

相変わらずな言い方だけど、私を傷つける様な言い方とか態度はとらない。見た目鋭いけど、基本優しい人だと思う。


「欄先輩は相変わらず右京ラブですね。」

「一目ぼれだからねー。」


愛はバスケ部のマネージャーで、右京とは部活もクラスも一緒だからか、一緒に行動していることが多い。あまりにも一緒に居るからもしかして付き合ってるんじゃ!?と思って愛を問い質したら『絶対ないです!』と笑って言われた。


「欄、行くよー。」

「あ、うん!」

「右京、まったねぇ!!」


右京の体にギュッと抱き付いて、友達の所に向かった。

逞しい体つきに、抱き付く度にドキドキしてしまう。ムラムラって言う方が合ってるかも。