やましい事はない……その言葉に少しドキッとした。

_本当にやましいところはないって言いきれる?

そんな疑問が脳裏を過ぎったけど、愛の言う通り千里に隠したままみんなと仲良くするなんて私の性格的に厳しいと思った。


「今度千里と会った時に話してみる。」

「それで高尾先輩と喧嘩になったりしたら話聞くから、遠慮しないでいいなよ?」

「うん、ありがとう。」


愛はきっと私の中に秋ちゃんへの気持ちが残ってる事に気付いてるだろうな。ずっと想い続けてきた気持ちを失くすのは難しい。それでも少しずつ気持ちが変わっていけばいいなと思う。

話し込んでいたらすっかり遅くなってしまい、慌てて駅に向かった。

愛と恭平とは途中で別れて、うーちゃんと二人きり。お家の最寄り駅につき、お家までの道のりを並んで歩いた。


「恭平の話しだけど……欄先輩に女の子紹介してって言うの?」

「言わねぇよ。 面倒くせぇし、愛とも友達だからな。 あいつが女つくるのはしょうがねぇけど、俺があいつの女づくりに協力すんのはダメだろ。」

「え!? 知ってたの!?」

「ずっと一緒に居れば嫌でも気付くっつーの。」


_驚いた。 うーちゃんって本当に色んな事に鋭いし敏感。

面倒見がよくなってしまうのは、嫌でも色んなことが見えてしまうからかもしれない。きっと気も凄く遣っていると思う。それでもうーちゃんは文句だとか、悩みだとか、何かをグチグチと言ったりしない。ストレスだって溜まらない筈ないのに……。