めくるめく恋心

暗くなったスマホの画面を見てため息が漏れた。


「もしかして右京ママって篠宮君の事?」

「あ、うん、そうだよ。 面倒見がいいからママみたいなんだって。」

「あいつが? そんな風に全く見えねぇし。」

「直ちゃんだってそうは見えないけど優しいじゃん。」

「確かにー。 そのギャップが危険なんだよね。」

「は? なんだそれ。」


_ギャップ萌えとか言うもんね。 秋ちゃんのギャップは何だろ?

考えると色々と思い浮かんでくる。みんなに優しいけど、実は一線を引いていて、でも内側に入れるととことん甘いところ。冷静に見えて実は情熱的なところ。大人びて見えて子供っぽい顔をする時があるところ。

考え始めると切りがない。


「俺の顔に何かついてる?」

「へ?」

「いや、凄い見られてたから……。」

「え!? 嘘!? そんなに見てた!? ご、ごめん!!」


_考え事しながらそんなに秋ちゃんを見てたなんて……完璧無自覚だった。

恥ずかしくて残りのカレーを口に掻き込む様に食べた。まだぎこちないけど、普通に会話ができた事は嬉しかった。

_元々は幼馴染なんだし、普通の友達に戻りたいって思う事は許されるのかな?

せめてそうなりたいと思ってしまった。それと同時に千里と加賀美さんの顔が頭に浮かんだ。