ココちゃんは一瞬キョトンっとした顔をしたけど、直ぐに満開の笑顔になった。


「私もきーちゃんが大好きだよ。」

「違うよ……。」

「え?」

「ココちゃんの好きとは違うんだよ。」


ココちゃんの頬を両手で包みこみ、顔を寄せた。唇同士が触れ合い、今まで抑え込んでいた気持ちが一気に溢れてしまいそうになった。

これ以上はまずいと思って顔を離すと、ココちゃんは放心状態になっていた。

さっきまで触れ合っていたココちゃんの唇に触れると、ココちゃんはビクッとなって少し後ろに下がった。困惑させる事は分かっていたけど、少しショックだった。


「ま、待って……頭が、ついて……いかなくて……。」

「この部屋を出たらココちゃんの大好きなきーちゃんに戻るから、今は……今だけは俺の事男として見て……お願いだから……。」


瞳を潤ませて、今にも泣いてしまいそうなココちゃんに手を伸ばした。けど逃げる素振りはなくて、そのまま抱きしめた。俺の腕の中に素直に収まったココちゃんは、腕を伸ばすとしがみつく様に俺の背中でシャツをギュッと握った。

戸惑いながらも俺の気持ちを一生懸命理解しようと、受け止めようとしてくれている。もう、それだけで良かった。


_困らせるの分かってたのに、黙ってられなくてごめん。 隠したままいられなくてごめん。 好き過ぎて頭が変になりそうだよ。


気付いたらココちゃんへの想いは恋愛感情になっていて、いつからこんなに好きなのかもう覚えていない。ココちゃんと同じ好きにするには時間がかかるかもしれない。もしかしたら変わらないかもしれない。けど、ココちゃんにはやっぱり笑っててほしいから、ただの従兄弟を演じるんだ。それでもいいからココちゃんの傍にいたいんだ。