_どうせいい加減ココちゃんと仲直りしろとかだろ?

思わずため息が漏れた。


「右京何てどうでもいいよ。 今春姫たちと学食向かってんだけど、お前も暇なら来れば?」

「お前ね……まぁいいや。 俺もそっち行くわ。」

「おー。」


電話を切って「蒼汰も来るって。」と春姫に伝えると「そうなんだ。」と興味のなさそうな返事が返ってきた。けど、心なしか嬉しそうな顔をしていた。

_こいつらはいいよな。 幸せそうで。

学食に遅れて蒼汰が来ると、一緒に居た女たちは更にテンションを上げて、気持ち悪いくらいのぶりっ子をぶちかまし出した。

_女って奴は……。

そう思う度ココちゃんの顔が浮かぶ。

本当は分かってる。ココちゃんが苦しんで出した答えだって事は……。分かってるけど素直に受け入れられなかった。

同じく学食で昼飯を食べているバスケ部の連中。その中には早瀬先輩の姿もある。

_あの人は今どんな気持ちなんだろうか。 ココちゃんに男が出来た事知ってんのかな?

藤間先輩はもう知っているだろうなと思う。そうなれば必然的に五十嵐先輩の耳にも入るだろうし、早瀬先輩も知っている可能性が高い。


「おい、ちょっと面貸せ。」


振り返ると機嫌の悪そうな右京が立っていた。

_は? わざわざ押しかけてくるとか……マジかよ……。