めくるめく恋心

_千里、震えてる?


「無事で良かった……っ。」


泣かずに話が出来たのに、その言葉を聞いて張りつめた糸がプツッと切れた様に涙があふれ出てきた。どうにか涙を引っ込めようとしたけど出来なくて、涙どころか声すらもう抑えられなかった。

泣きじゃくる私のおでこに千里のおでこがくっついた。


「怖、かった、よぉ……っ。」

「もう大丈夫だよ。 もう怖くない。」

「ま、だっ、体に……残って、るの……っ……お願いっ、ギュってしてっ……。」


背中に千里の腕が回り、グッと体が近づいた。隙間がないくらい密着する体。千里の温もりを感じる。そのまま抱きかかえられ、違う部屋へ連れていかれた。

千里はベッドに座った。私は千里と向かい合って膝の上に座っている。


「ここ……は?」

「俺の部屋。」

「何か、落ち着く……。」

「俺もこうしてると落ち着く。」


千里のしなやかで引き締まった腕に包み込まれ、首元に顔を埋めた。子供をあやす様に背中をポン、ポンと優しく叩かれ、瞼が重くなる。

瞼を閉じると、目頭からゆっくりと涙が流れた。拭おうと思ったけど体がいう事を聞かなくて、気を失うように夢の中へと引きずり込まれた。