めくるめく恋心

千里の住むマンションについた。エントランスも広くて綺麗なマンションだ。


「あの、今更なんだけど、本当にお邪魔して平気?」


_冷静になって考えてみたら、突然お家にお邪魔するなんて非常識だよね。


「両親は海外出張が多くて、基本放任主義だから大丈夫だよ。 今日も家にはいないよ。 だから緊張する事ないから。」

「そうなんですね。」


お家にお邪魔すると、お花の良い香りがした。玄関も広くて綺麗で、リビングも綺麗に片付けられている。


「お邪魔して早々で申し訳ないんだけど、シャワー借りたい……。」

「お湯溜めるから少し待って。」

「ううん……シャワーで体を洗い流せればいいの。」


まだあの男の感触が残っていて、早くそれを消してしまいたかった。

_気持ち悪い。


「分かった。 こっちだよ。」


お風呂場へ案内されて、千里はタオルを用意すると直ぐに出て行った。

洗面所の鏡に映る自分の姿を見て、目頭が熱くなった。

_あちこち傷だらけ。 千里が驚くのも無理ないよね。

流れそうになる涙を拭い、急いで洋服を脱ぎ捨てた。シャワーのお湯が体に触れると、ひりひりとした痛みに襲われた。でも痛みよりも気持ち悪さの方が強くて、ゴシゴシと体を洗った。