めくるめく恋心

海の家に戻るとパソコンと睨めっこしている葉山さんがいた。

_せっかく海に来てるのにお仕事なんて大変だな。


「休憩?」


鞄の中からパーカーを出していると、いつの間にかこっちを見ていた葉山さんに声を掛けられた。


「はい。 はしゃぎ過ぎてちょっと疲れちゃいました。 お仕事の邪魔しちゃってごめんなさい。」

「いいよ、気にしなくて。 俺もそろそろ休憩しようと思ってたところだから。 ってか上着ちゃうの?」

「あ、はい。 ずっと水の中にいたからか体が冷えちゃって。」


きーちゃんの言葉は気にしないでおこうと思ったけど、やっぱりそうはいかなくて、きーちゃんの言葉は胸に突き刺さったまま暫くは取れそうにない。

パーカーの前を一番上までしめて葉山さんの向かいに座った。


「何か飲む?」

「あ、じゃあお水を……。」

「オッケー。」


葉山さんはお店の人を呼ぶと、私の分も一緒に飲み物を頼んでくれた。

お店の人からペットボトルの水を受け取り、お金を払おうとしたら葉山さんに止められた。


「あの、すみません。 ありがとうございます。」

「あはは、水一本でそんな風にお礼言われるとか新鮮。」