お父さんとお母さん、お姉ちゃんにたくさんの事を報告した。悲しかった事、辛かった事、寂しかった事、嬉しい事、楽しい事……今まで会いに来られなかった分の話しをした。どのくらい墓前で座り込んでいたか分からない。気付けばみんな居なくなっていた。家族と話し込む私に気を使ってくれたのかもしれない。


「きーちゃんと早く仲直り出来るように見守っててね。」


最後にそう言葉をかけ、私は家族と別れた。

うーちゃんに電話を掛けると、みんな車のところに居ると言われ、少し急ぎ足で向かった。駐車場につくときーちゃんの姿だけなくて、辺りを見渡した。それでもきーちゃんの姿を見つける事は出来なかった。


「お待たせ。 きーちゃんは?」

「用事があるらしくて先に帰った。」

「……そっか。」


慰める様にうーちゃんに頭を撫でられ、泣きそうになった。

_そんなに酷い事しちゃったのかな? いい方向に考えようとしてもやっぱり凹む。

お墓参りの後はみんなでご飯を食べに行って、夜には篠宮家で大人たちはお酒を飲みながら思い出話に花を咲かせていた。なんだかんだで疲れてしまった私は一足先にお風呂に入って部屋でゆっくりしている。

スマホが鳴り、画面を見ると千里先輩だった。


「もしもし」

「今日は色々話せた?」

「はい。 話す事があり過ぎて、時間も忘れて話し込んじゃいました。」

「良かったね。 昨日よりスッキリした声してるよ。」