ポツリポツリと話し始めた心の話しを聞いて、呆れるというか、信じられない気持ちになった。

_てっきり高尾先輩と何かあったと思ってたけど、まさか吉良の事だとは……。


「吉良とはそれ以来話してないの?」

「話してない……朝も会わなかった……いつもは朝ごはん一緒に食べるのに、今朝はもう出た後で……。」

「もー泣かないのー。」


せっかく泣き止んだのに、また泣きそうになる心を抱き寄せた。仲が良い分、余計にショックなんだろうなと思った。

あたしの腕の中でグスグスしている心の背中を擦った。


「右京は何て?」

「不貞腐れてるだけで、直ぐに機嫌も治ると思うから、気にするなって……。」


_あたしも右京に同意見。 っつーか、こんな事で一々不貞腐れるとかガキかっつーの。


「今は下手に話しかけたりしない方がいいんじゃない? その内ほとぼりも覚めるって。 ね?」

「それでいいのかな? こんな事初めてで、もうどうしていいのか分かんなくて……っ。」

「吉良の気持ちは置いといて、あたしは高尾先輩と上手くいって良かったと思ってるよ? 心大好きオーラ凄かったし、絶対大切にしてくれるよ。」

「それは……私もそう思う……。」

「じゃあいいじゃん。 今は高尾先輩に甘えるだけ甘えて、たくさん癒してもらいな?」


相変わらずグズグズ言っている心は必死に頷いていた。