「早瀬先輩の事一途に思ってたじゃん!! ずっと、ずっと!! だから俺、ココちゃんの事応援してたんだよ!? それなのにいきなりそんな奴と付き合うなんて……ココちゃんの好きってその程度だったんだ!? 幻滅した。」


_げん、めつ……? 何それ……。

秋ちゃんには関わりたくないって言われて、秋ちゃんの彼女からはかき回されたくないって言われて、本当に私は前に進まなきゃいけないんだって思った。そんな私に手を差し伸べてくれた千里先輩の手を私は取った。悩んだけど、千里先輩とならって思ってその手を取った。


「ココちゃんもその辺の女と変わらないんだね、ガッカリだよ。」

「吉良、お前いい加減にしろよ。」

「右京もそう思うでしょ?」


きーちゃんのこんな人を馬鹿にしたような顔を初めて見た。それもその顔を自分に向けられているなんて、信じられなかった。


「きーちゃんに何が分かるの?」


声が震える。その震えが怒りからきてるのか、悲しみからきてるのかは分からない。


「私だってただの女の子だよ!! 苦しくて辛くてしょうがなくて、そこから抜け出したいのにそれも辛くてっ、……っ、考えて考えて絞り出した事なのに、そんな風に言わなくてもいいじゃない!!」


手に持っていたクッションを思いっきり投げつけて部屋を飛び出した。自分の部屋に駆け込み、ベッドにダイブした。枕に顔を埋めて、どうしても漏れてしまう鳴き声を押し潰した。きーちゃんが色々と応援してくれてたことは分かってるし、感謝だってしている。

_でもあそこまで言わなくてもいいじゃん!!

きーちゃんなら「良かったね。」って笑って言ってくれると思っていた。そう思っていたからこそ、あんなふうに言われた事に酷く傷付いた。