めくるめく恋心

「お前らが学食って珍しいな。」


ラーメンを食べていると、声を掛けてきた男の人たちは隣の空いている席に座った。上履きの色が違うから、直ぐに上級生だと分かった。

_それにしてもおっきい人。

うーちゃんよりも背が高そう。それになんだか厳ついし、貫録?が凄い。


「あれ? もしかして噂の転校生ちゃん?」

「へ? うわっ!?」


人懐っこい笑顔で顔を覗き込まれ、驚きすぎて椅子から落ちそうになった。けどうーちゃんが背中を支えてくれて、なんとか落ちずに済んだ。


「ありがと。」

「てか噂って何ですかぁー?」


興味津々に愛が身を乗り出した。目がキラキラしてる。


「二年に可愛い子が入ったって三年で噂になってるよぉ。」

「マジっすか!? うちの心ちゃんに悪い虫が付かないかパパは心配だよ。」

「いい加減そのネタ止めろ。」

「あははっ! パパってば心配性だよ。」

「お前までのんなくていいんだよ。」


呆れ顔のうーちゃんに軽くでこピンされた。それでも変なツボに入ったのか中々笑いが止まらなくて、最終的にはうーちゃんの口元も笑っていた。


「何? 二人できてんの?」

「え!? 違います。 私たち従兄弟なんです。」

「そーなんだ。 やっとシノが落ち着いたんだと思ったー。」