めくるめく恋心

恥ずかしい事に私のお腹が凄まじい音でなってしまい、早くお昼を済ませようと、学校の最寄り駅のファミレスに入った。

ファミレスの中には同じ制服を着た人たちが結構いて、もの凄い視線を感じた。その視線は千里先輩に注がれている気がする。

_そういえば千里先輩にはファンの子がいるって愛が言ってたっけ。

体育祭の時に千里先輩の人気を目の当たりにしていたのに、そんな事はすっかり忘れていた。


「何か、すみません……。」

「どうして謝るの?」

「だって落ち着かないですよね? 千里先輩は人気があるから、学校から離れたところでお昼にすれば良かったですね。」

「人気があるのは心ちゃんの方だよ。」

「私ですか? あはは、まっさかー! そんな事あるわけないじゃないですか。」


今思えば私の周りには目立つ人ばかりだなと思った。人を惹きつける人たちばかりだ。だから私もみんなといて楽しいのかもしれない。


「夏休み千里先輩は部活三昧ですか?」

「んーそうなるだろうね。 心ちゃんは?」

「私はバイト三昧だと思います。 って言っても、千里先輩よりは遊ぶ時間はたっぷりです。 きーちゃんたちと海に行くんですよ。」

「海には篠宮たちも?」

「いえ、きーちゃんがモデル仲間と海に行くらしくて、一緒にって誘ってくれたんです。」


千里先輩は食べる手を止めて頬杖をつくと、私の顔を覗きこんできた。