めくるめく恋心

きーちゃんは笑いながらグラスにコーラを注いでいる。

_彼女居た事ないとか信じられない。


「本当に? 本当に彼女居た事ないの!?」

「本当だってー。 彼女は居た事ないよ?」


_え? それって……。


「彼女は居た事ないけど、しっかり遊んではいるって事?」

「さぁ? どうだろ? まーそれなりに経験はしてるよ。」


_うーちゃんも特定の彼女はつくってなかったし、きーちゃんもそういう事なのかな?

きーちゃんのそういう一面は私の知らない一面で、急に寂しくなった。

_きーちゃんは私のいないところではどういう感じなのかな?

私が居る時はいつだって私の事を優先してくれるから、きーちゃんが他の女の子に対してどういう感じなのかよく分からない。春姫ちゃんに対しては優しい感じだったけど、それは蒼汰君の彼女だからかもしれない。


「ちょっ、ココちゃん!? 溢れてるって!!」

「え? うわ!?」


いつの間にかボーっとしてしまっていたらしく、烏龍茶がグラスから溢れ出ていた。