放課後みんなで一緒に帰るのは久しぶりだ。せっかくみんな揃って帰れるのに、テスト前っていうのが残念でしょうがない。


「このまま遊び行きたいよねー。」

「来週からテストとかかったるー。」


愛も恭平も普段は部活で放課後は遊べないから私以上にそう思うよね。うーちゃんも何も言わないけど、そう思ってるのかもしれない。

電車に乗って、二人とは途中で別れた。

うーちゃんと二人で乗る電車はやっぱり新鮮だ。朝も部活の朝練でうーちゃんは先に家を出てしまう。けど今日からテストが終わるまでは一緒に登下校できる。


「もう大丈夫なのか?」

「あー……うん……多分、ね。」


昨日の出来事をうーちゃんには話した。辛い気持ちはあるけど、不思議と涙は出なかった。少し泣いたからかもしれない。

今もやっぱり落ち込んでいる自分がいるけど、塞ぎ込んでしまいそうなほど重症じゃない。


「今はテストに集中しないとね。 期末だから範囲も広いし、ちゃんと勉強しないと赤点取っちゃう。」

「赤点の奴は夏休み補習だろ?」

「そうなの! 夏休み補習何て絶対イヤ!!」


それに今年の夏はお父さん、お母さん、お姉ちゃんの三回忌だ。初めて行くお墓参りで赤点を取ったなんて報告はしたくない。まだ泣かないでいられる自信はないけど、制服姿も元気な姿も見せたいから、頑張って会いに行こうと思う。