真里香に耳を引っ張られて、寺門君は本気で痛がっていた。寺門君には悪いけど、面白くて思いっきり笑ってしまった。


「あの子吉良君と二人三脚してた子でしょ? 吉良君の彼女?」

「吉良君とは従兄弟なんだって。」


秋生を盗み見すると、私たちの会話なんて耳に入っていませんみたいな顔をして近くの友達と話していた。

_強情な奴。


「それにしても、ココの奴相変わらず目立ってんな。」

「本人も目立つけど、周りに居る人たちがまた目立ってるからね……。」


読者モデルをしている吉良君と芸能科に通うモデルの蒼汰君。どちらも一人でいても存在感が凄いけど、この二人がそろうとそれだけで目立つ。それに加えて本人は能天気だけど、昔から何かと注目を浴びているココ。

_それにしても……ココたちと一緒に居る、あの背の高いちょっと鋭い感じの男の子は誰だろ。


「一人知らない男の子いるけど、あの人もしかしてココの彼氏だったりして?」


私の言葉に小さく反応する秋生。

_内心すっごい動揺してそう。


「篠宮とココが? あんまそうは考えたくねーな。」

「やっぱりあの人東稜の篠宮さんっすよね!?」

「え!? 二人ともあの人の事知ってるの!?」

「あの人東稜のバスケ部なんっすよ。」