ずっと死んだと思っていたココが生きていた。その話は衝撃的で、上手く気持ちを整理できなかった。


「喧嘩しないでよ。」

「しねーよ。」


一年生の教室に向かう途中、直に釘を打った。

小さいころから一緒に居る事の多い直は、強くていつも私を守ってくれる。ただ喧嘩っ早くてひやひやする時もある。バスケをしていなかったら喧嘩三昧になっていたかもと思うと、この世にバスケというスポーツがあって良かったと思う。

そんな直と私は付き合っている。付き合い始めたのは中学に入ってから直ぐだった。私たちが付き合い始めたのと同じくらいの時期に、秋生とココも付き合い始めた。

二人の事も小さいころから知っているから、二人が付き合い始めたと聞いた時は嬉しかった。私たちはいつも四人でいた。ココが死んだと聞かされるまでは……。


「ねぇ、吉良君呼んでくれない?」

「は、はい!」


ドアの近くにいた女の子に、女の子たちに囲まれている吉良君を呼んできてほしいとお願いした。

私たちを見た吉良くんはスッと笑顔を引っ込めた。


「ココちゃんの事ですか?」

「そう、ココの事もっとちゃんと聞きたいの。」

「体育祭にココちゃんが来ます。 その時に本人と話して下さい。」

「お前、ココとどーいう関係だよ。」

「……従兄弟ですよ。 じゃ、次の授業の準備があるんで、失礼します。」


吉良君が教室の中に戻って行き、私たちも自分たちのクラスに戻った。