めくるめく恋心

放課後になり、私はいつもの様にみんなと別れた。

来週期末テストがあるから、うーちゃんたちも明日から部活はお休みに入る。そしたら一緒に帰れるから嬉しい。やっぱりみんなで帰った方が楽しい。


「すみません。」


門を出た所で声を掛けられ振り返ると、他校の制服を着た女の子が立っていた。目のくりっとした可愛い女の子。


「市川 心さんですよね?」

「はい、そうですけど……。」


_誰だろう?

思い返してみても見覚えのない女の子だった。こんな可愛い子、一度会ったら忘れないと思うんだけどな。


「私、加賀美 沙彩と言います。 突然押しかけてすみません。」

「いえ……あの、私に何かご用ですか?」

「単刀直入に言います。 秋生と関わらないでもらいたいの。」

「え……?」


_秋生って秋ちゃんの事だよね?

言われている意味がいまいちよく分からなくて、頭の中がこんがらがっている。


「私秋生と付き合ってるの。 理由はどうであれ一度秋生の前からいなくなったんでしょ? 今更貴女に私たちの仲をかき回されたくない。 それだけ言いたかったの、それじゃ……。」