これだから雨は嫌いなんだ
重たい気分をさらに重くする
止まない雨は振り続けて
校庭にたくさんの水たまりを作った
今日が晴れだったら
こんなしぃの突然の報告でさえ
雲に流せたのかもしれないのに
好きな人、
しぃの言う好きな人はきっと、
私じゃない
私自身、心のどこかで
私じゃないことを願ってる
綺麗に積み重ねた形を崩したくないって
思っちゃってる
「あ、それと…」
そしてさらに付け加える
「風斗が陽向のこと呼んでた」
なんでこんな雨の日に
こんな優しく笑えるんだろう
私の頭の中は
しぃの好きな人のことで一杯で苦しいのに
しぃはそんな私と気持ちなんか知らない
私じゃない、
違う誰かを想ってるしぃのことを想像するのは
あまりにも苦しすぎる
首を締められてるみたいに息苦しくて
この苦しさから開放されたいのに
その方法が分からなくて
私はずっと動けないまま足踏みをしている

