「あ、しぃ」
人混みの中から顔を出して
私に手を振って、掛けてきて
「早いね」
「さっき来たばっかだよ」
額にうっすら汗を浮かべてる
たしかに今あの人混みの中
かき分けて動くのは体力使う
それに今日はいい天気
だんだん太陽も沈みかけてるけど
まだ十分暑い
「浴衣、なんだね」
「あ…うん」
なんだか急に恥ずかしくなってきて
思わず顔を下に向けてしまった
心臓はバクバク言ってて
顔が熱くなってるのが自分でもわかる
顔あげられないじゃん…
しぃは今
どんな表情で私を見てる?
「いつもと雰囲気違ったから…声かけるの躊躇った。見間違えだったらどうしようかと思ったよ」
遠目で私って気づいてくれたのかな
なんだか…嬉しい
まだ顔はあげられないけど
今すっごく嬉しいんだよ_____
"可愛い"
とか
そんな直積的な言葉は求めてないから
気づいてくれただけで
十分だから

