お姉ちゃんに貸してもらった浴衣は
黒い布地に
ピンクや鮮やかな紫色の蝶々が
無数に舞っていて。
私には大人っぽすぎるくらい
「やっぱり私服のほ…」
「さすが私の娘!似合う!」
「え、あ、うん…」
一瞬の躊躇は
あっという間にお母さんにかき消されてしまう
そしてふと気づいた
「ねえ、今何時?」
お姉ちゃんは右腕につけていた
ピンク色の腕時計に目をやって
「3時30分だけど?」
「3時30分!?」
オウム返しのように私は反応して
急いで階段をかけあがった
集合時間まであと30分!?
駅前まで15分以上はかかる
これから持っていくものとか準備して…
今から急げばぎりぎり間に合うかも
「何時集合なの?」
「四時!」
小さなカバンに財布やケータイを詰め込んでいると
部屋のドアをノックする音が聞こえて
「送っていくよ」
「いいの!?」
こういう時
姉の存在に感謝する…

