「んー…なんでだろうね」


しぃは本当に雨みたいな男の子


他の男子は休み時間馬鹿みたいに騒いでるのに

しぃは本を読んでたり、寝てたり…

友達がいないわけじゃいんだけど

どこか大人びてて落ち着いてて。


でも私はそういうところが好きで

しぃと友達になったんだ

一緒にいて落ち着く、そんな存在


今じゃ、しぃのこと

"時雨"

なんて呼べもしない

最初の頃は"時雨くん"なんて呼んでたのに

仲良くなりすぎたのかな

なんだか照れくさくて

"しぃ"は私だけの呼び方になった

私だけの"特別"



だから私は彼の名前を呼べる女の子が羨ましい

何かと女の子に人気があるしぃ

女の子に呼び出されるのなんて慣れっこ

みんなしぃに想いを伝えて儚く散る

私も、思いを伝えられたらいいのに


私は

距離を縮めすぎた