けどその未来は儚く遠かった
梅雨が終わった頃
しぃの体はますます細くなって
人工呼吸器が不可欠となってしまった
緑のマスクをはめて苦しそうに息をする
私が放課後、病室に向かう時は
大体目をつぶって眠っていた
ここ最近は"ひなた"って笑って
私を出迎えてくれることはなかった
しぃの笑顔が大好きだったのに見れなくて
あなたを励ましたいのにそれができなくて
何も出来ない自分が歯がゆい
「ねえ、しぃ?」
眠るあなたはどんな夢を見ているの?
楽しい夢?
嬉しい夢?
それとも悲しい夢?
あなたの夢に私はいる?
眠るしぃの夢に飛び込むことができたなら
しぃと同じ夢を共有することが出来たのに
でも、所詮夢は夢
現実で願う思いが強くて見る夢もある
私の夢は叶わないの?
しぃと描く未来はやってこないの?
そんなの、辛すぎるよ______
「ひなた」
病室の外で私を呼ぶ声がする
「ふう…と」

